2日のニューヨーク外国為替市場で円相場は3営業日ぶりに反発し、前日比30銭円高・ドル安の1ドル=78円00~10銭で取引を終えた。
欧州債務不安の再燃などを背景に対ユーロで円が買われ、対ドルでも円が上昇した東京市場の流れを引き継いだ。
78円ちょうど近辺で始まった後は、比較的小幅な値動きとなった。日本政府による円売り介入への警戒感はあるものの、日本企業などによる円買い・ドル売りが引き続き出やすいとの声が聞かれた。
前日までに米長期金利が大きく低下したことが円の売りにくさにつながっているとの指摘もあった。ニューヨーク市場での円の高値は77円97銭だった。
円はやや伸び悩む場面もあった。朝方に民間雇用関連サービス会社オートマチック・データ・プロセッシング(ADP)が発表した10月の全米雇用リポートで、非農業部門の雇用者数(政府部門除く)の伸びが市場予想を上回ったことが円売り・ドル買いを誘ったとの見方があった。
昼過ぎに米連邦準備理事会(FRB)が米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を発表。声明には追加の金融緩和について踏み込んだ言及がなかった。ドルが対主要通貨で一時買われると、対ドルでも円売りが出て、円は小幅に伸び悩んだ。
バーナンキFRB議長はその後の記者会見で追加金融緩和の可能性を排除しなかったが、為替相場の反応は限られた。この日の円の安値は78円12銭だった。
円は対ユーロで小幅続伸し、前日比5銭円高・ユーロ安の1ユーロ=107円20~30銭で取引を終えた。前日にギリシャが財政赤字削減策受け入れの是非を問う国民投票を実施すると表明したのを背景に、欧州問題を取り巻く不透明感が引き続き強かった。
一方、米株式相場の反発などを受けて投資家が運用リスクを取りやすくなった。ユーロが対ドルなどで買われたため、対ユーロの円の上値も重かった。
ユーロは対ドルで4営業日ぶりに反発し、前日夕の1ユーロ=1.37ドルちょうど前後から、1.37ドル台半ばに上昇した。米株高などを手掛かりにユーロは買われた。FOMCの結果発表後にはやや伸び悩む場面があった。ユーロの高値は1.3829ドル。安値は1.3712ドルだった。
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