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超円高是正・介入に限界 決め手は大胆な日銀の量的緩和

米欧では介入「反則」

 仏カンヌで3、4日に開かれた日米欧と新興国合同の20カ国・地域(G20)首脳会議で野田佳彦首相や安住淳財務相が円売り単独介入についてくどくどしゃべるのは愚の骨頂だった。もとより通貨・金融政策というものは言い訳無用、結果がすべてである。他国に理解を求めてどうにかなるものではない。弁解しようものなら米欧から逆ねじを食らい、身動きがとれなくなる恐れがある。ドル買い介入で人民元レートを安くする中国に対し苛立(いらだ)つオバマ大統領は内心で、「日本は中国のように相場操縦するのか」と不信感を持ったに違いない。

 自国のカネの他国との交換比率を引き下げて輸出を増やしたり、在外資産収益をかさ上げする「通貨安競争」は2008年9月のリーマン・ショック後常態化している。なのに、「日本の円売り介入はけしからん」と責められるのに反発する向きは多いだろうが、米欧が国際ルールを決める。かつてスキーのジャンプ競技でスキー板の長さが制限されて以来、日の丸飛行隊が失速したのを思い起こせばよい。

 国際通貨ゲームでは米欧からは介入は「反則」とみなされるのが現実だ。お札を刷ることだけが合法なのだが、野田氏も安住氏も気付いていないようだ。

日銀は5月から通貨減

 通貨安競争のトップを走る米国の場合、連邦準備制度理事会(FRB)がリーマン後、現在までに3倍以上もドル資金を発行してきた。これに対して、日銀は資金供給の伸びを平時並みに抑え、ことし3月の東日本大震災が起きて初めて2割増やしたが、5月からは逆に減らしてきた。

 円の対ドル相場は5月からぐんぐん上がり「超円高」と呼ばれるようになった。日本が円高是正したければ、日銀が円をかなりの規模で継続的に刷る「量的緩和政策」に転換すればよく、米欧からもクレームは来ないはずだ。現に、米欧金融界の意見を代表する英フィナンシャル・タイムズ紙は10月31日付社説で、「日銀はより大胆な量的緩和政策を打ち出せ」と勧告している。

 超円高の主因は米欧の金融危機にあらず。小欄で何度も指摘してきたように、日本は国際的に非常識な日銀政策のために、超円高とデフレ不況を呼び込んでいるのである。

 政府(実体は財務省)の為替市場介入には限度がある。円売り介入の資金はとりあえず、日銀資金によるが、あとで財務省が政府短期証券(FB)を発行して金融機関から貯蓄を吸い上げて日銀資金と置き換える。FBの発行枠は150兆円だが、使える残りは23兆円で、10月31日のような7兆円規模の介入はあと3度しかできない。

景気落ち込む自滅型

 第3次補正予算で15兆円追加する予定だが、円高に伴う為替評価損はすでに40兆円に上る。150兆円以上もの貯蓄が国内投資に回らずに、値打ちが下がり続ける米国債などに振り向けられる。国内景気は落ち込み、デフレを悪化させる自滅型介入システムである。

 正解はただ一つ、日銀政策の転換である。

 日銀が介入資金を全面的に引き受け、政府が大規模かつ機動的な介入に乗り出す。スイス国立銀行(スイスの中央銀行)が8月から展開するユーロ買い・スイスフラン売り介入方式が参考になるのだが、ユーロ救済の意味があることから、欧米からは容認されている。


 スイス国立銀行はこの8、9月で実にお札を3・2倍も刷って、ユーロを買い、スイスフラン高を止めた。日本も日銀資金をユーロ危機策に使うなら、米欧からの非難は免れようが、ドル安・円高対策に直接結びつかない恐れがある。

 残る方法はただ一つ。日銀がお札を刷って長期国債を購入する正真正銘の量的緩和政策である。同時に物価上昇率を前年比で3%程度まで引き上げるという目標を市場にメッセージとして流す。インフレ分を加味した国債などの実質金利は下がり、異常な円資産買いの流れが止まるだろう。現在では日本の実質金利は米国よりも3%以上も高いので、欧州から逃げ出した世界の余剰マネーが円資産に向かっている。

 円高是正に立ちはだかるのは肝心の財務省と日銀である。財務省は国債金利を低く抑える効果があるデフレを歓迎し、デフレを助長する増税にひた走る。復興増税、さらに消費税増税と国際公約まで踏み込む。

 日銀は日銀資金が財政に使われると円の信認が失われると警戒し、量的緩和の効果を部分的にしか認めない。「名目の実効為替レートでは必ずしも円高ではない」「外貨資産の買い入れは政府の為替政策の範疇(はんちゅう)に属する」(白川方明総裁)とそっけない。政治が目覚めない限り、日本は超円高を止められない。

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円高はなぜ止まらないのか?

リフレ派も、経済学界ではほぼ壊滅したが、稲葉振一郎氏のような素人や政治家の世界ではまだ生き残っているようだ。こういう宗教的信念をもっている半可通を説得するのは一番むずかしい。「日銀がマネーをばらまけばインフレになる」とか「円安になる」というのは、一見わかりやすいからだ。

現在のような流動性の罠では、中央銀行がいくら通貨を供給してもインフレにならないことは、他ならぬクルーグマンが強調しているところだ。これはアメリカのQE2の経験でも明らかで、バーナンキも認めているので、さすがのリフレ派もいわなくなった。

ところが、今度は「円高は日銀が通貨を十分供給しないからだ」という話が出てきた。高橋洋一氏は「円・ドルレートの動きは、日米のマネタリーベースの比によって、90%程度も説明できる」というのだが、本当だろうか。彼のグラフは都合のいい部分だけ切り取っているので、ここ25年の動きを示す読売新聞の吉田恒氏のグラフをみてみよう。

ご覧のように、日米のマネタリーベース(ベースマネー)の比とドル円レートの相関は、ないとはいえないが強いともいえない。特に2002~6年の量的緩和の時期は、日銀が激しくマネタリーベースをふくらませたが、円は逆に強くなった。最近はFRBがQE2でマネタリーベースを激増させてドルが弱くなっているが、相関はそれほど強くない。マネタリーベースだけで決まるなら、1ドル=50円台になっていてもいいはずだ。

こういう乖離が生じる理由は簡単である。貨幣の流通量は通貨供給(マネタリーベース)だけで決まるのではなく、経済学の教科書に書いてある通り、資金需要と供給が一致するように金利が決まるからだ。金利がゼロではない1980年代のような状況なら、均衡は内点解になるので、金利を下げてマネタリーベースを増やせばインフレが起き、円が弱くなる。しかしゼロ金利状態というのはコーナー解なので、日銀がいくら通貨供給を増やしても資金需要を作り出すことができない以上、インフレにはならず、円高も止まらない。

・・・といっても稲葉氏のような「人文系ヘタレ」(と自称している)にはわからないだろうから、超わかりやすくいうと、バナナが貴重品だったときには、バナナの供給を増やせば流通量が増えるが、バナナが余って価格がゼロになると、それ以上バナナを供給しても売れ残って腐るだけだ。貨幣も一つの商品だから、超過供給で価格(金利)がゼロになったら、それ以上ふやしても「ブタ積み」になるだけで意味がないのだ。わかるかな?

世銀報告書 2025年の基軸通貨は「元、ドル、ユーロ」

世界銀行は17日発表した報告書で、2025年の国際通貨体制は、ドルとユーロに人民元を加えた3基軸通貨が中心になるとの見方を示した。

東日本大震災で停滞する日本に代わり、中国など新興市場の存在感が高まるとの見通しだ。

 報告書は「25年までに世界の経済成長の半分以上は、中国、インド、ブラジル、ロシア、韓国、インドネシアの6大新興国が寄与するようになる」と予測。

6大新興国が商業や金融を通じ低所得国の成長を牽引(けんいん)するとの見方を示した。

 なかでも中国経済について、報告書を執筆した世銀マネジャーのマンスール・ダイラミ氏は「企業や銀行の急速な国際化で、人民元の役割は一段と重要になる」と指摘。

ドル、ユーロ、人民元の“3大基軸通貨”が、「25年の国際通貨体制として最もあり得るシナリオだ」と予想した。

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