8月17日(ブルームバーグ):ニューヨーク外国為替市場では、スイス・フランが主要取引通貨の大半に対して上昇。スイス国立銀行(SNB、中央銀行)がフランの対ユーロ・ペッグ(連動)制や相場目標の導入を見送ったことを手掛かりに、フランが買い戻された。
ドルは主要貿易相手国の通貨で構成するバスケット通貨に対して、3週間ぶり安値に下げた。フランはスイス政府当局者の会見を前に上昇幅を消す場面も見られた。その後、相場目標を導入するかどうかの決定はSNB次第との同国のビドマーシュルンプフ財務相の発言を受けて相場は反発した。商品相場の上昇を背景に、南アフリカ・ランドとスウェーデン・クローナは対ドルで上昇した。
先物ブローカー、MFグローバル ・ホールディングスのアナリスト、ジェシカ・ホバーセン氏(ニューヨーク在勤)は、「市場はペッグ制導入を織り込んでいたため、SNBには失望させられたと見ている。ペッグは万能薬になりそうもなく、今後もできる限り避けようとするだろう」と述べ、「この日の市場はドル買いの材料に欠けていた」と指摘した。
ニューヨーク時間午後2時38分現在、フランはドルに対して前日比0.9%高の1ドル=78.91サンチーム。政府当局者の記者会見を前に一時、上げ幅を失う場面も見られた。ユーロに対しては一時0.8%安まで下げた後、0.6%高の1ユーロ=1.1399フランまで上昇している。
ドルは対ユーロで0.3%安の1ユーロ=1.4445ドル(前日は1.4407ドル)。円に対しては0.4%安の76円47銭(同76円80銭)となっている。ドルは3月17日に対円で戦後最安値の76円25銭を付けた。
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